日々、すきなこと。

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初音ミクの曲紹介No.6 signal/saniyuri

2017/01/14投稿曲(niconico

 ダンスビートとバンドサウンドの絶妙なさじ加減にセンスが光る。 

無機質な中に少し悲しく寂しい感じがする。

 

 

 ”silent running”

 

長い髪を後ろで一つに束ねた少女が、白いマフラーを口元でキュッと結び眼下に広がる無機質に雪の降る街を眺めている。

おもむろに首に掛けてあるヘッドフォンで耳を覆う。

 

受信した。転送する。

 

ヘッドフォンから声が聞こえてくると、少女は雑踏の中にいた。辺りを行き交う人々には薄いもやがかかっている。少女が歩き始めると、空間が歪んでいく。人々がいないかのように突き進み、辺りを入念に観察する。生気のない整然とした街並みの中に少女のブーツの音がこだまする。

 

6時の方向、300メートル。

 

少女は声に従って振り向くと、真っ直ぐな眼差しで走り始める。

200メートル、100メートル、50メートル。白いマフラーが揺れる。

コートの内側のホルスターからM29(4インチ)を引き抜くと、サッと両手で構える。

薄いもやのかかった人々の中に一人だけはっきりと姿を現した男がいる。

 

「ターゲット発見。ディリートする」

 

銃声。

M29から放たれた.44マグナムが乾いた空気を切り裂いて男の眉間を貫く。

男はぐらりと体勢を崩すが、両足に力を込め、戸惑いを隠せない様に少女を見据える。

少女はすかさず男に走り寄り蹴り上げ、宙を舞う男の心臓に.44マグナムを撃ち込む。

心臓を抉られた男が地に叩きつけられると、壊れた人形の様にピクリとも動かない。

少女はそのガラクタのようなモノを虚ろな瞳で見下ろし、念を押すように頭部と胸部を撃ち貫く。

 

「こいつも違う」

 

少女は力なくうなだれ、白いマフラーをきつく握りしめる。

 

「カーロス、絶対に見つけてみせるから」

 

もやのかかった群衆が慌ただしく行き交う中で、少女は一人立ち尽くしている。